仙台高等裁判所 昭和36年(う)487号 判決
以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。
〔判旨〕原判決が被告人に対し一円未満の端数のある一九九円五〇銭の追徴を命じていることは所論のとおりである。論旨は、右追徴は、国等の債権債務等の金額の端数計算に関する法律に違反する旨主張する。しかし、右法律第二条は国等の債権の確定金額に一円未満の端数があるときは、その端数金額を切り捨てることを規定しているのであるから、右法条が適用されるには一円未満の端数のある確定金額の債権の存在が前提とならなければならないことはまことに明らかである。ところで、追徴は、罰金や訴訟費用と同じく国の債権ではあるが、その債権発生原因は追徴を命ずる裁判それ自体であり、裁判がなされる前にはまだ国の債権なるものは存在しない。追徴を命ずる裁判が確定した段階において、若し追徴額に一円未満の端数があるときはじめて前記法条の適用があるものと解されるので、原判決が同法条を適用することなく、一円未満の端数のある一九九円五〇銭の追徴を被告人に命じたことは少しも違法ではない。